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王国兵士団
翌日、王国兵士団への入団方法を聞きに行こうとした所に壁に貼ってあるポスターが目についた。
新団員募集中!
君の力でこの国を守ろう!
私達はいつでも君たちを待っている
と書かれていた。
待っているならすぐに入れるかな?
そう思い、王国兵士団の駐屯所に向かった
。
「ほぇー、立派だなぁ」
「そりゃそうだろう。王国兵士団の駐屯所だからな」
急に話しかけた青年は私と同い年か少し下に見えた。
「お前、王国兵士団に入りてぇの?女には無理無理。諦めろ、じゃーな」
言うだけ言って駐屯所に入る男にイラつき、慌てて追いかけ男を追い抜く時に能力を使った
言霊「女でも兵士になれるってお前に証明してやる」
「はっ、できるもんならな」
そうして二人競い合うように駐屯所の中に入っていった。
そのまま中にいた兵士の案内で奥の部屋に連れていかれた。
コンコン
「はい」
「入団希望者を二人お連れしました」
「入りなさい」
促され、入った先にいたのは国民なら誰でも知っているケイジュ将軍だった。
爽やかな笑顔とどんな戦いでも勝つその強さから男女共に人気のある人だ。
「我が団への入団希望、ありがたく思っている。だが、命と隣り合わせの職業だ。簡単には入団させてやれない。入団試験に合格すれば君たちの入団を認めてやろう」
「おい、この者たちを訓練場に連れていけ」
「はい、こっちだ」
入団試験ってなんだろう?と思いながら訓練場に足を踏み入れた。
そこで待っていたのは兵士20人
「お前ら、名前は何て言う」
「ヒナです」
「スイだ」
「お前たちにはここにいる兵士に一人でもこの練習用の剣が当たれば合格だ」
「分かりました」
「兵士さん、質問いいですか?」
「なんだ?」
「絶対にその剣じゃないといけませんか?俺自分の能力でやりたいんですけど」
「まぁ、いいぞ。それでどっちからやる?」
「女、先にやらせてやる」
「私にはヒナという名前がちゃんとある。お言葉に甘えて先にさせてもらおう」
「それでは入団試験を始めるよ」
「お願いします」
そう言って剣を構える。
そして一言
「妹のために」
間合いを一気に詰める。兵士が一瞬怯んだ隙に剣を弾き、その流れで相手の首筋に剣先を当てる。
「これでいいですか?」
「···合格だ」
「ありがとうございます」
もといた所に戻り、スイに交代する。
「私を先にさせてことを後悔しているんじゃないか?」
「は?なわけ。お前こそ俺の後じゃなくて良かったな」
「何?それはどういうことだ?」
スイはそのまま歩いて行ってしまった
そしてスイの入団試験が始まった。
開始早々スイは兵士たちの中心に飛び入り、そして周囲の兵士たちを凪ぎ払った。
こうしてスイも合格になった。
この日から私達はライバルであり、戦友となっていった。
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