時をアントルシャ

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『どしたの〜? マドカ』 部屋を尋ねると必ずそう振り返って首を傾げたドロフェイ。 もうそうやって振り返ることはないと分かっているのに、懐かしい空気がその返事を期待させる。 壁をそっと撫でながら、ベッドに腰を下ろす。 シーツは僅かにシワが残っている。 そうか、この部屋は18のクリスマスで時が止まっているんだ。 このシーツのシワも、空気も、ドロフェイがいたあの日々から変わらず残っていたんだ。
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