胸をタンデュして

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「今日から3日間、パ・ド・ドゥクラスを受け持つ、熊谷拓也です」 「た、竹野円です」 自分の自己紹介は、生徒たちの黄色い声で掻き消される。 漫画のように瞳にハートを浮かべた女の子達が拓也さんに釘付けになっていた。 固まって立っている女の子たちの中に、愛ちゃんの姿も見つける。 初っ端からこんな調子で私は大丈夫なのだろうか、と苦笑いをうかべる。 軽くウォーミングアップ代わりのバーレッスンを行ったあと、早速ペアを作ってのレッスンが始まった。 一日目は基本的な組み方を丁寧に教えよう、と話し合っていたので派手な技ではないパを教えていく。 参加している生徒のほとんどがアブニーラクラスの生徒のようで、パ・ド・ドゥに慣れている生徒が多かった。
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