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「私も千夏ちゃんと同じだったから、かな?」
「え・・・?」
首を傾げた千夏ちゃんと向き合う。
「自分の踊りに自信が無い、そうだよね?」
はっと彼女が息を飲むのが聞こえた。
「私も千夏ちゃんと同じ歳くらいの頃ね、全く自分の踊りに自信がなかったの。それで、バレエ辞めちゃおっかなって思った時もあった」
自分のバレエを見失い、未来が何も描けなかった高校三年生の夏。
毎日が苦しくて、私はバレエから逃げ出した。
でも────、
「大切な人に出会ったの。私よりも私を信じてくれた人。その人のおかげで、自分のバレエを取り戻せたんだ」
「それは、もしかして」
「うん、そう。ドロフェイ・ルイプキン」
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