胸をタンデュして

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「もし千夏ちゃんが自分を信じることができないなら、私が千夏ちゃんを信じるよ。これでもロシアのバレエ団ではプリマだから、少しは説得力あると思うんだ」 「円ちゃんは凄いです・・・っ!」 ぽろぽろと涙を零した千夏ちゃん。 驚いて、慌てて自分のタオルで涙を拭う。 しかし自分の汗を拭ったタオルだと気がついて、余計に慌ててしまった。 ────あれ、しかも今、"円ちゃん"って。 「円ちゃん、どうした。そんなにテンパって」 やっと解放されたのか、拓也さんが少し疲れた顔で歩いてくる。 ぽろぽろ涙をこぼす千夏ちゃんと、慌てふためく私を見て「・・・感動の再会、ではないよな」と困惑気味に言った。 「私が泣かせちゃったんです。ごめんね、言い方悪かったよね? しかも汚いタオルで拭いちゃって。って、そもそも感動の再会ってなんですか?」 「人魚姫で、カニ役やってた子だろ。一幕で一緒に踊ってた」
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