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小鳥遊エコールドバレエ。私が13歳から18歳の夏まで過ごしたバレエ団だ。
今日はその筆頭である小鳥遊団長から、ある依頼を受けて、またここへ戻ってくることになったのだ。
「詳しい説明は団員から。申し訳ないのだけれど、私はこの後外せない用があって」
「分かりました。お忙しい中ありがとうございます」
そう言って握手を交わす拓也さんと小鳥遊先生。
深く頭を下げて見送り、扉が閉まると同時に脱力するようにソファーに沈んだ。
拓也さんがくすくすと笑いながら自分の隣に腰を下ろす。
「別に怒られるようなことはしていないはずなんですけど、どうしても緊張しちゃって」
「分かる、俺も久しぶりにラスコーワ先生に会ったらそうなるから」
「拓也さんも? 良かった〜……」
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