エッセイ こしあんが来た日 1

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(さらっと前回の振り返り)さて、震える体の両手でちょうど抱えるくらいのサイズの黒猫を自宅に保護した私でした。 保護した後に最初にやる事は、そう記念写真。いや、違う。いくら猫が可愛いからと言って、写真を撮るより前にすることがある。 猫は震えているのでとりあえずタオルに包み、何か食べるものはないかと探していると異臭が漂ってくる。 うん〇?しかも液体状の。 どうやらお腹をこわしているようだ。となると、ちょっと病気かもしれないので普通のゴハンを食べさせることはできない。 タオルを新しいものに変え、箱に入れてあげた。不安げな目で私を見てくる。大丈夫、ここはもうヘブンだ。たぶん。多分ヘブンへようこそ。 その証拠にこの多分ヘブンではご飯食べ放題だ。待ってろ!クロネコ!ヤマト(仮)!なんとかご飯を食べさせてあげるから!昔の猫の看病で使っていたミルクがあるはず。 そしてミルクが見つかり、ぬるま湯でミルクを溶かし、ヤマト(仮)に… また、おもらししてる! タオルを取り換えて、また新しいタオルに変えてヤマト(仮)を包んだ。 そして小皿に入れたミルクを顔の前に出すと、目を輝かせてミルクを舐め始めた。さすがミルク。ミルクはママの味。安心するんだね。安心すると気が緩んでくるよね。変なにおいがするね。 また、おもらし! これは一体タオルを何枚使えばこの戦いは終わるのか。しかし、しょうがない。これは試練だ。この試練が終われば多分ヘブンは、本当のヘブンに変わるに違いない。 タオル! ミルク! タオル! ミルク! タオル! ティシュ! タオル! ミルク! 一回はティシュでごまかしながらこうして我が家でのヤマト(仮)の初食事は終えた。満足そうな顔を一瞬した後、私の腿の間で丸くなった。 くぅ、かわいいぞヤマト(仮) じゃあ、風呂で汚れを洗い流し、綺麗な体にしてあげて とりあえずダンボールにタオルを引いた即席入院ベッドを用意して座らせた。 ほっ、と一息・・・ あ、異臭が。 これはしばらく戦いが続きそうだ。
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