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エッセイ こしあんが来た日 1
こしあんはうちに住む黒猫だ。品種はわからない。今日も朝起きると前足をぴーんと伸ばした後に私の足元にすり寄ってくる。ご飯クレクレポーズだ。普段は私からは距離を置き遠くからこちらを見つめてくるのだが、ご飯の時だけは足元にニャンニャン鳴きながら絡みついてくる。
しょうがない、と寝ぼけ眼でネコご飯を取りに向かおうとしたら、更に足に絡みついてくる。
あっ!
絡みつくこしあんを蹴ってしまった。慌てて逃げるこしあん。ごめん、ごめんよう。お詫びにちゃおちゅーるをあげるよう。
しかし、猫を黙らせる最終兵器ちゃおちゅーるですら近寄ってこないこしあん。
朝から私(右手にちゅーる)とこしあんの睨み合いが続く。永遠と思えた三秒間、しかしこしあんはテコテコと歩いてきてちゃおちゅーるを食べ始めた。私はごめんよう、と頭をなでなでする。
そう。
既にこの家はこしあんが主人だ。
しかし、こしあんがこの家に来たのはたった二ヶ月前のことだった。
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