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子供はどうしたら出来るのかを知らないほど、実晴は幼くない。
ベッドのシーツの色はやっぱり真剣に悩んでおけばよかった、と実晴は少し後悔するのだった。
× × ×
午前に購入した家具を搬入して、一息つく頃にはもう外はすっかり更けていた。
今何時なのだろう、と壁にかかった時計を見上げるも、買ったばかりの新品なのでまずは時間を合わせるところから始めないといけない。
新しい生活は、慣れるまでは不便そうだ。
「実晴、一緒にお風呂に入ろう」
「……えっ? え、え……おふろ……」
「初夜はそうするものでしょ。実晴を俺に独占させて」
サファイアブルーの瞳が欲に濡れていて、実晴は動揺する。
そして、有無を言わさずに横抱きにされながら、浴室まで運ばれてしまった。
ニアは完全にヒートは起こしていないけれど、オメガの匂いにあてられているのは確かだった。
本格的な発情期は1ヶ月先で、もともと不安定な体質の実晴はフェロモンの放出制御が出来ず、そのせいでアルファやベータに襲われている。
すかさずオメガ用の抑制剤を自分に投与しようとしたところで、ニアに止められる。
「あ……っ、ニア……!」
身につけている衣服を全て取り払う間にも、ニアは手加減して猶予を与えてくれていた。
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