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「もう……っ、入れてぇ……。はやく、噛んで……ニアのものにして……!」
ヒエラルキー上位に君臨するアルファのフェロモンは、実晴にとっては甘やかな媚薬だ。
ニアのほうも、官能に浸るほど強くなる実晴のフェロモンを嗅いで、唸る本能を必死に抑えていた。
疼く牙で実晴の項を噛んでしまいたい衝動を、自らの手の甲を噛むことで何とか堪えていた。
「……初夜で番になるのも魅力的だけど、やっぱり実晴の発情期まで待つよ。今日は相性を確かめるだけ」
番わないというニアの意思を聞いて、実晴はショックでぼろぼろと涙を流す。
啜り泣く実晴の声に驚いて、ニアは「ごめん……ごめんね」と焦燥混じりの謝罪を繰り返す。
オメガにとっての番は生涯で1人だけだ。
抱くことには変わりないけれど、ニアは出来るだけ実晴を大切にしたいと思っていた。
「ニアの大きいので、ぐちゃぐちゃに掻き回して……っ。お尻が、疼いて……つらいの……。助けて、ニア」
実晴は腰を前後に譲って、ニアの雄を尻の狭間で擦った。
ニアのものが大き過ぎるせいと、浮力のせいで、実晴は悪戯に煽ることしか出来ない。
「実晴は俺を誘うのが上手だね……。朝まで離さないから覚悟して」
僅かに残る理性の上を踏み抜かないように、ニアは実晴を抱えて浴室から出ていく。
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