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白に近いクリーム色の髪は、人間のものよりも手触りがよく、いつまでも撫でていられる。
「そこ……すごく気持ちいい……。もっと撫でて」
感覚器官の一部である耳や尻尾を触られるのは、獣人はあまり好きではないらしいけれど、ニアは別のようだった。
耳の後ろを執拗に撫でてやると、ニアは喉をごろごろと鳴らして甘えてくる。
「触られるの……嫌じゃないんですか?」
「実晴の触り方は気持ちいいから好き。たくさん触って?」
そう言われてしまえば、実晴もつい誘惑にかられてしまう。
獣人の耳や尻尾をむやみやたらに触るのはタブーとされていたため、実晴には初体験だった。
耳は思ったよりも厚みがあって、弾力がある。
毛に覆われた尻尾は先まで神経が通っていて、ニアの意思で動かせるのだ。
特に耳の後ろから付け根にかけてを、人差し指で小刻みに撫でると、尻尾を実晴の腰に絡めてくる。
ちらりと胸元のニアの顔を盗み見ると、すでに野生の一面はなくなっていて、切れ長の目を細めて気持ち良さそうにしている。
反らした白い喉を、指先でちろちろと撫でるだけで、ニアは鳴き声をあげた。
「ん、ん……。実晴も、俺を撫でるの好き?」
「うん……もふもふしてて温かくて……」
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