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歓迎されないのは当たり前だと分かりきってはいたけれど、その無関心さが実晴の心をいっそう抉った。
「ねえねえ、実晴! シーツは何色がいい? やっぱり明るい色かな? 大人っぽい黒色もいいよねぇ」
「……僕は何でもいいので、ニアさんに任せます」
「2人の部屋なんだから実晴もちゃんと意見出して! じゃあ、実晴は枕カバーの柄選んでよ」
生活用品を整えるのがこんなに大変だなんて知らなかった。
実用品のベッドやキッチン用品、そして照明などのインテリアに至るまで、ニアと相談して購入していく。
新生活は楽しみなはずなのに、実晴の顔は浮かなかった。
どうしてもっと楽しそうに出来ないのだろう。
ニアはいろいろと提案してくれているのに、面倒くさいと思っている自分がいて、すごく最低だな、と思う。
「実晴、もしかしてちょっと疲れてる? 朝から連れ回しちゃったからかな。一段落ついたら休もう」
そう言ってニアは自然と指を絡めてくる。
煙のようにゆらゆらと揺れる細い尻尾で実晴の背を撫でて、「お疲れさま」と元気付けた。
ーーニアは、子供が出来たら僕を捨てるのだろうか。
悪い方向に考えれば考えるほど、部屋のものを2人のもので揃えていくという行為が、意味のない行為だと思い知らされる。
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