236人が本棚に入れています
本棚に追加
急に大人しくなったルナを見て男は含み笑いをした。
「まだ何もしていない。そうだな...もう少し胸は大きい方が好みだ。」
「なっ!!」
(しっかり見てるじゃん。)
恥ずかしさと怒りでルナはため息をつく。
(考えたくないけどこの人が脱がせたのかな.....男の人に裸見られるのも脱がされるのもキスも初めてなんだけど..........最悪)
顔に出さないようにショックを受けていたその時、男がルナの背中を指でつーっとなぞった。
「んっ...!」
咄嗟にルナの身体にギュッと力が入る。その様子を見て男は妖艶に微笑んだ。
「ほう。反応は悪くない。」
「なっ…!」
キッと男を睨みつけ、もう一発くらわせようと手を振りかざすーーーだが。
ーーーガシッ。
男はルナの手首をすんでのところで掴んで止めた。
「フッ。二度も叩かれるのは性分ではないぞ。」
「私の服どこよ!早くホテルに戻らなきゃ。」
「荷物は処分させた。お前にはもう必要ない。」
「は?」
あまりに身勝手で耳を疑う言葉に一瞬ルナは固まった。
「お前は俺が貰い受ける。そろそろ1人くらい欲しいと思っていた。」
「もらい?え??」
さらに意味のわからない言葉が続き混乱してくる。
「何これやっぱ夢だよね?」
(どうせ夢なら透が結婚する前からの夢だったらよかったのに。いや透に親友を紹介する前か...)
男は真剣な顔でルナの顔をじっと見つめた。
「お前が言ったんだぞ。」
「は?」
「生まれ変わったら自分だけを愛して欲しいと。」
「え..........」
ルナは息を呑んだ。
砂漠で最期に強く抱いた感情が急に頭の中に蘇えりサーっと青ざめる。
「で、でもこうやって生きてるじゃない!」
「そうだな。お前は生きている。」
男は長い指を伸ばしルナの頰に触れる。なぜだかそのぬくもりをルナは知っているような気がした。
「忘れるでない。お前はあの時一度死んだんだ。俺がいなければな。」
「それは…......」
最初のコメントを投稿しよう!