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そう考えた夏候淵は漸く肚を決めた。
「漢王よ、此度の勝負は預けるとしよう。
戦には敗れたかも知れぬが、お主との勝負から逃げ出す訳ではないからなっ!」
「ははっ・・・」
春馬を指差して言い放つ夏候淵に対し、苦笑いを浮かべる春馬。
「次は夏候淵さんときっちりと決着をつけるよ」
「フンッ・・・」
春馬に対し鼻を鳴らす夏候淵。
夏候淵は退却すべく春馬に背を向けて馬を駆けさせた。
「ふうっ・・・」
「殿!
お怪我は有りませぬか!」
夏候淵が去った後に大きく息を吐き出した春馬。
そんな春馬に張任が声をかけ馬を寄せた。
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