いけず石の妖精が元気な理由

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 俗に「いけず石」と呼ばれる。大きさや種類は様々だが、多くの場合道路スレスレの敷地の角に鎮座している。敷地内スレスレというのがミソで、路地を曲がろうとする自動車が敷石を踏み越え、これに車体をこすっても敷地内に勝手に侵入して勝手にこすっただけのこととして泣き寝入りする羽目になる。  このように運転技術つたなく、都を走る資格のないドライバーにイジワルができて、ついでに建物の外壁が傷むのを防ぐ役目を果たす。京都の土地と人に親和性が高く市中どこでも見られる。枯山水に置くような自然石をコンクリートで固めたものが目につくが、市内を観察してみるとブロックをそのまま埋め込んだもの、鉄のポール、車両が傷つかぬよう良心的にタイヤを積み重ねたもの…と種類も色々ある。
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