もてなす京都の道祖神

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はじめは戸惑うが、今は我は彼らを憎からず思っている。彼らの蔑視を黙して(野蛮なので言の葉なんて紡がぬが)納受し、哀憐を代わって送ってやる。当然のこと互いの感情が中空で衝突するがその際にほんの小さな、藁のほだ火ほどの熱が生じる。その小さな熱をわしは啜るのだ。時代の変容ととも我も進展した。蛍の光ほどのかそけき熱であり我が抱える神としての渇きを癒すには到底足りぬものではあるが、この情念をぶつけるあそびは少しだけ無聊を慰めつかの間を心愉快にするものではあった。
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