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―――わたしは
それ以上ふたりを見ていられなくなって、デパートを飛び出した。
どこをどう走って家についたのか記憶にない。
気がつくと、携帯には三津谷くんからの着信とLINEが入ってた。
LINEには、
「明日の昼前には迎えに行くよ」
そう短く書いてあった。
……LINE
今までの三津谷くんとのLINEを読み返すと涙が出てきた。
女性にモテる三津谷くんが、こうして一年もわたしとLINEしてくれてたなんて奇跡だって。
内容はどれも他愛のない事ばかり。
それでも楽しかった。
新しいお店に行って美味しいものを食べる時も、二匹を連れてドックランで遊ぶ時も。
だけど。
それももう終わりにしなきゃ。
ペアリングをするような女性が居たんなら、
わたしが三津谷くんの近くにいるのはおかしいから……
「……三津谷くんの、バカ」
涙が溢れた。
想いは育ちすぎて三津谷くん以外、誰にもいけない。
―――好き
ダメでも、もっと早くに告白してたらよかった。
そうしたら、後悔しなくて済んだかもしれないのに。
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