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うーん、どうしたものか。
雷がソファーで寝てる。
あたしはしょっちゅう寝てて、よく雷に運ばれているけど。
さすがにあたしはそこまで力はないし、部屋まで運ぶなんてムリ。
さっきから起こしてるんだけど、全然起きる気配はなくて。
疲れて帰って来たな、とは思ったけど。
どうすればいいんだろう。
とりあえず、あたしのソファー用のひざ掛けをかけてはみたものの。
疲れが取れないから自室に戻って、ベッドで寝てほしいんだけど、な。
「雷、起きて」
その体を揺さぶってみても、やっぱり動かない。
一度は腕を引っ張ってもみた。
あたしが非力なのかわからないけど、ほんのちょっと動いただけ。
まぁ、ご飯は食べてるから、このままここで寝てもいいとは思う。
でもやっぱり気になるから、部屋に戻ってほしいな。
スヤスヤと気持ちよさそうに、幸せそうに眠るその額を軽くたたいて。
キレイな寝顔を見てると、なんだかだんだんムカついてくる。
力いっぱいデコピンしてやろうか…
痛くて目が覚めるかも。
それとも…
「……雷、スキよ」
小さく言っても聞こえないのはわかってるし、聞かれたくはない。
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