someday.7

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少し影を落とす雷だけど、全然動いてくれない。 押し倒されている状況のままで、なぜあたしは昔話をしたんだろう。 うん、話さないと動いてくれそうになかったからなんだけど、終わっても変わらない。 「雷…?」 小さく名前を呼べば、左手であたしの頬に触れてくる。 鼓動が跳ねた気がした。 こんな近くにいて、聞こえないか心配してしまう。 「その頃のあげはさんを抱きしめてあげたかった。責めることはもちろんしないけど、大丈夫だよって甘えさせたかったよ」 「ヤ…あたしは責めてほしかった」 罪が軽くなるとは思わないけど、厳しく言ってほしかったんだと思う。 そこはちょっと、朧気だけど。 「あげはさん、めんどくさい」 「…え?うん、そうだね?」 「その時、そこにいた大人達から何か陰口でも聞いた?」 なんか、急に盛大なため息をついて、触れていた頬をおもいっきりつねられたんですけど。 「えと、特に聞いてない、かな?」 「陰でコソコソ言ってたかもしれない、だけど聞いてなければ言われてないと一緒」 「そういう問題?」 「それでいいんだよ、めんどくさがりのクセに深く考えすぎ」 うん、まぁ、そうなのかもだけど。 当人じゃない、第三者だからバッサリと言えるのかもしれない。 「え、ちょっ…」 起き上がらされたと思ったら、力強く抱きしめられて少し苦しい。 「その頃の分まで甘やかしてあげる。年下だから頼りないかもしれないけど、あげはさんの思うように甘えて」 「ヤ、十分に甘やかされてる」 「足りない」 何が? 聞こうと思ったけど、何も言わずに雷の背中に腕を回した。 すると、優しく背中を撫でてくる雷。 「……ありがと」 小さくお礼を言えば、雷が笑ったように思えた。 やっと、少しだけ近づけた、かな?
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