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「あー…そうだね、えぇっと…」
必死で違うことを考えていると、今度は少し上目遣い。
くっ…
今は何もしないって決めてるのに…
決意を揺るがすような行動を取るあげはさん。
「じゃあ、なんかしんどいなって思ったら言って、俺がこうやって甘やかすから」
「う、ん…わかった」
これはぜったい言ってきそうにない。
敢えて言っただけで、わかってるから勝手にやらせてもらう。
「とりあえず、もう落ち着いたから離れて」
「えぇ?もっと」
「ちょっと、苦しい」
さらに抱きしめている腕に力を込めて、少し抗議してくるけどすぐに諦める。
諦めが肝心って言葉よく聞くけど、ぜったいあげはさんはソレを超えてる気がするよ。
「…あたし、だいぶ甘えてると思うんだけどな」
「ヒトとして最低限にはね」
「それってダメじゃない?」
「わからない程度だから、もうちょっと出してもいいと思うよ」
ホントにわからなくて、あとで気づく感じ。
「俺にはソレよりも、夫婦として甘えてほしいんだけど」
「…何が違うの?」
「えぇ?全然違うって」
少し力を緩めればすかさず離れて、でも教えてという視線を向けてくる。
「なんかしんどいなって時に、誰かにグチったり?は、ヒトとしてか…」
実際、説明するのは難しい。
だって、こういうことって考えることじゃないから。
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