someday.8

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「とにかく、自分の部屋に洗濯物持っていって」 ビシッと部屋の方を指さし、少し睨みながら言ってくる。 これはまだ恋愛系の返しが思いつかなくて、悔しいとかムカつくとか思っている時の行動。 そこをおもしろがって深入りすると、拗ねて部屋に閉じ籠もるから。 今日はそこまでしない。 言われた通りに部屋に持って行って。 すぐにリビングに戻ると、置いていたケースをジッと眺めているあげはさん。 「どした?」 「…こんなんだったかなって思って」 「そりゃずいぶん前のことなんだし、覚えてなくて当たり前じゃない?」 さっき部屋に行く時、一緒に持って行けばよかった。 見たくないだろうケースを全部持ち、あげはさんの頭をポンポンと子供をあやすように触れる。 それで自分がどんな表情をしていたのかわかったらしく、目を合わせて苦笑い。 「ゴメン、辛いこと思い出させて」 「さっきも謝ってもらったけど」 「さっきはさっき、今は今」 意味がわからないと眉を寄せるあげはさんの髪をクシャッとして、今度はこっちが苦笑いを浮かべて手を離す。 明日、事務所に持って行こう。 ここに置いていて、あげはさんの目に入ってしまわないように。 「雷が、辛そうにすることないのに。ゴメンね?あたし、こんなんで」 「あげはさんは今のままでいい。こんなんでとか次言ったら押し倒す」 「どんな脅しだ」
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