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八月、だな。
隣を見れば、規則正しい寝息を立てる雷の姿。
起き上がり膝を抱えて小さくため息。
たまに雷が仕事で遅くなる日は、帰りを待つこともなく先に寝るんだけど。
最近は朝起きると、いつの間に忍び込んだのかこうして隣で寝ていることがある。
そりゃ初めのうちはビックリして、叩き起こしもしたけど。
何日か続くと、ソレが当たり前になってしまった。
ホント、ただ隣で寝てるだけ。
同居を始めた頃は、他人の気配に敏感になっていてよく目が覚めていた。
慣れって恐ろしいなぁと、つくづく思う。
今は布団に忍び込まれても気づかない。
「何がしたいの」
そうつぶやいても、もし起きていたとしてもはぐらかされるだけ。
何回か繰り返した。
でもホント、はぐらかされて終わり。
今日は休みだから二度寝しようと向きを変えたらいるんだもん。
なんでかわかんないけど、なぜかフイに今日から八月だなって思ってしまった。
別に隣にいることと関係はいっさいないのに。
寝起きでまだ頭がボーッとしてるんだ。
「暑いのになんでヒトの布団に入るのよ」
たぶんというか雷しかいないんだけど、エアコンをつけたらしく部屋は少し涼しい。
寝る直前に切るから、雷が帰って来た時はきっと暑かったんだろう。
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