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快適な温度なんだろうけど、元々いつも起きた時にはついてないから肌寒い。
モゾモゾともう一度布団の中に入って、正面から雷の顔を見れないから少し下にズレて。
寝ててもキレイな顔。
規則正しい寝息を立てるその頬に触れた。
柔らかくてシミ一つない顔は、触っても滑らかに吸いつく。
女のあたしから見ても羨ましい。
「……くすぐったい」
フワッと笑って引き寄せられる。
ただ、目は閉じたまま。
結婚する前からだけど、こんな風に寝ぼけている時はぜったい抱きしめられる。
起きてないから、あとで聞いても覚えてなくて首を傾げるだけ。
雷は今日は仕事何時からなんだろう。
寝坊とかはしないから、まだ時間は大丈夫なんだろうけど。
どうせ動けないから、二度寝しようかな。
でも、目が覚めちゃったんだよね。
「放して」
頬に触れたままの手でペチペチと叩いてみるけれど。
やっぱりくすぐったそうに小さく動くだけ。
寝てる人間て、なんでこんなにあちこち重いのかな。
背中に回っている腕を上げようとしても上がらない。
まぁ、あたしの腕の位置もビミョーだし、上げにくいっていうのもある。
それにしても、わざとかってくらい上がらない。
「もう、起きてよ」
呆れながら言えば、通じたのかわからないけど、薄く開く目。
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