someday.9

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快適な温度なんだろうけど、元々いつも起きた時にはついてないから肌寒い。 モゾモゾともう一度布団の中に入って、正面から雷の顔を見れないから少し下にズレて。 寝ててもキレイな顔。 規則正しい寝息を立てるその頬に触れた。 柔らかくてシミ一つない顔は、触っても滑らかに吸いつく。 女のあたしから見ても羨ましい。 「……くすぐったい」 フワッと笑って引き寄せられる。 ただ、目は閉じたまま。 結婚する前からだけど、こんな風に寝ぼけている時はぜったい抱きしめられる。 起きてないから、あとで聞いても覚えてなくて首を傾げるだけ。 雷は今日は仕事何時からなんだろう。 寝坊とかはしないから、まだ時間は大丈夫なんだろうけど。 どうせ動けないから、二度寝しようかな。 でも、目が覚めちゃったんだよね。 「放して」 頬に触れたままの手でペチペチと叩いてみるけれど。 やっぱりくすぐったそうに小さく動くだけ。 寝てる人間て、なんでこんなにあちこち重いのかな。 背中に回っている腕を上げようとしても上がらない。 まぁ、あたしの腕の位置もビミョーだし、上げにくいっていうのもある。 それにしても、わざとかってくらい上がらない。 「もう、起きてよ」 呆れながら言えば、通じたのかわからないけど、薄く開く目。
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