someday.9

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「ごめんね?待たせて」 「あの時…ムリやりにでも俺のモノにしなくてよかった」 「いつ?」 「あげはさんの過去を聞いた時」 あぁ、そんなこともあったなって考えていると、再び重なる唇。 これ以上は何も考えれないし、考えさせてもくれない。 「──っや、待って」 雷の手があたしの服の中に入ってくるのを慌てて止める。 「なんで」 「今日はもうムリ、これ以上は恥ずかしい」 左手で雷の手を押さえ、右腕で自分の顔を隠す。 ムリ、いっぱいいっぱい過ぎて心臓が持たない。 「えー、なんでそんなかわいいことするの」 「イヤ、してないけど」 「あげはさんはいるだけでかわいい」 「どうしよう、どこの病院に行く?」 相変わらず雷は意味不明。 真剣に何科だろうと考えていると、笑い声が聞こえる。 腕をのけて見れば、いつの間にかあたしの上から動いていて。 「あげはさん、俺をスキになって後悔しない?」 隣に座る雷はあたしの髪に触れながら聞いてくる。 「後悔?何かあるの?」 「特になんもないけど、ホラ、俺、とりあえず芸能人だし」 「あたしは元、だけど?」 そんな、後悔とかするようなら、初めからこんな生活してない。 いくら母親に言われたからって、いつでも帰ることはできたんだから。
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