someday.10

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夏は意外と忙しくて、気づけば秋。 …秋って! 気持ちが通じ合ってから軽く一ヶ月が経って、その間あげはさんとはさっそくすれ違いの生活。 規則正しいあげはさんと、不規則な俺。 会えても数時間とか、寝てる時に帰ってあげはさんの布団に潜り込んで起きたらあげはさん仕事行ってるとか… え? 新婚だよね? はたまた、俺の妄想? 今日もまた帰って来たのは夜中。 とっくにあげはさんは寝てる時間。 マジで泣くかもよ? 「あ、おかえりなさい」 「た、だいま…?」 なんて思っていると、リビングのソファーからあげはさんの声。 ん?幻聴? 「雷?どしたの?」 「妄想が生んだ幻?」 「や、何言ってるかわかんない」 あ、うん、現実だ。 「だって、そう言いたくなるよ?また電気つけずにテレビだけついてるって」 ホント、毎度のことだけど、なんで夜中なのに電気消したままなのかな。 俺の中じゃ、それが一番不思議なことなんだけど。 「驚かすつもりはない」 「普通に驚くから」 あげはさんはソファーの背にもたれ楽しそう。 ただ、こっちからしたらテレビの灯りだけだから、なんか怖い。 「仕方ないわね、つければいいんでしょ」 「えー?そんな渋々つけるなら暗くていいよ」 なんで、不貞腐れながらつけようとする? 夜中だから、やっちゃダメみたいな感覚が楽しいのかな。 イヤ、大人だし、子供みたいなコソコソはしてもおもしろくないと思うけど。
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