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とりあえず、あげはさんの隣に座れば拗ねてるし。
「てか、なんで起きてんの?いつもなら寝てる時間なのに」
「明日お休みなんですー」
イヤ、言い方。
頬を膨らませ子供みたいに拗ねて、ソッポを向く。
つまり?
休みだから、俺が帰って来るの待ってたって思っていいのかな?
「待っててくれたって思っていい?」
「潜り込まれるのもイヤだから」
えー、唯一の楽しみなのに。
同じ布団で一緒に寝れる安心さって言うの?
まぁ、あげはさんは寝てるから、あげはさんにはわからないだろうけど。
「ソレ言うために?」
「うん、そう」
「言ってもムダなことわかってるよね?」
「うん、わかってる」
拗ねてる状況は変わんないけど、受け答えはしてくれるから怒ってはなさそう。
だけど、ソレだけのために起きて待ってるとか、今までのあげはさんを思うとあり得ない。
「ねぇ?あげはさん?」
「何」
「眠いのに待ってたホントの理由は?」
目を擦る仕草はきっと眠たいのをガマンしてて。
誘導してでも言わせたい。
あげはさんの口から言ってほしいんだ。
「……そうよ、待ってたの」
「初めから素直に言えばいいのに」
クッションに顔を埋め聞きたかった言葉を、小さい声で言うから。
そのクッションごと抱きしめる。
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