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入学式が終わり、私は今教室にいます。クラスにはいつものメンバーも揃っており、クラス表を見た時は安心しましたね。
しばらくしてクラスのドアが、ガラッと開きました。
入ってきたのは女性の教師で優しそうな人です。
「皆さんこんにちは。今日から私が担任です。よろしくお願いしますね」
そう言って先生はふわりと笑いました。
オオ〜。母性が溢れてます。
あれですね。よくある先生をお母さんと呼びたくなってしまうような女性です。
「それじゃあ、自己紹介しましょう。廊下側の列の子からお願いね」
自己紹介ですか。
……思い出すのは幼稚園の自己紹介の黒歴史。今度こそ絶対に噛まないようにしなくてわ。
皆が次々とする中でとうとう私の番がやって来ました。
「西園寺 リアです。皆これからよろしくね!」
ここで必殺天使スマイル!
説明しよう!天使スマイルとは天使な顔を持つ天使なリアちゃんが天使級に可愛い天使なスマイルを皆にお届けしちゃう技だぞ☆
ふふふ、自分の顔を理解してなかった昔のリアちゃんとは違いますよ。今の私は自分が天使級に可愛いことを自覚しています。
偶然鏡に映った自分に見惚れてお友達になって下さいって言ってしまった自分が懐かしいです。
あの時の皆の顔は面白かったですね。特に陸斗は何言ってんだコイツと言う顔をしてました。あれ、可笑しいな。目から水が。
まあ、とにかく私の笑顔で皆一撃です!
さあ、これから拍手の嵐がー!
………………シーーーン。
……あれ?
バッと見渡すも、皆拍手する素振りさえ見せません。というか固まって此方をじっと凝視してきます。
あ、あれ?可笑しいな。
私も固まる中、雪菜ちゃんがゴホンと咳払いして拍手しました。
そして皆慌てたように拍手し始めました。
……いいですよ、もう。私が勘違いしてました。私の周りには美形が多いからいつからか私も美形だと勘違いしてたんですね。
ははは、よく言いますもんね。鏡の中の自分は本当の自分より可愛く見えるって。
はあ、可愛くなりたい……。
リアは知らない。皆リアの笑顔にやられて思考を奪われていたことを。
こうして、絶世の美貌を持つリアは勘違いを重ねていく。
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