595人が本棚に入れています
本棚に追加
最悪な結果
最悪だった。
私は、とても夫に告げることが出来なかった。
私は正常だったのだ。
そう、夫は無精子症だった。
彼には私が妊娠しにくい体質だと報告した。
子供が居なくでも仲良くやって行けると思っていた。
先生の説明では、詳しく精密検査を受けば、精巣にわずかでも精子があるかもしれない。そうして、採取した精子で人工受精の可能性もある。と、言われた。
それをしなかったのは彼を傷つけたくなかったからだ。
だから、義母の皮肉にも耐えてきた。
「子供の産めない嫁なんかもらって。」
毎回、すみません。と、謝るしかなかった。
それがどこで騙されたのか。
馬鹿な夫に愛想が尽きた。
私のお土産として検査結果と医師の診断書を引き出しに入れてきた。
ささやかな復讐だ。
最初のコメントを投稿しよう!