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披露宴の間、
俊輔君は、甲斐甲斐しく橋本さんの妹の世話をしていた。
妹さんが車に乗る時も抱っこして乗せていた。
自分で乗れると思ったけど、俊輔君は怪力だから気にしてなかった。
披露宴が終わって飲みに行った。
俊輔君が、突拍子もない事を聞いてきた。
「義理の兄弟って結婚できますかね?」
「俊輔君、もう酔っ払ったの?」
「まじですよ。俺、玲子さんに一目惚れしました。」
玲子さんとは、橋本さんの妹だ。
「俊輔君、確か彼女いなかった?」
「とっくに別れました。俺は、健気な弱々しい子が、タイプなんです。」
前に付き合ってたのはジムの子だったな。
確か、俊輔君は子供の頃、死にそうな子猫を拾って来て、医療費が高額で大変な思いをしたって恵子が言ってた。
1ヶ月モヤシばかりのおかずだったって、
嘆いてた話を思いだした。
「俊輔君、同情とかで付き合うのは相手に失礼だよ。」
「違いますよ。確かに彼女は体が不自由だけど、心は誰よりも丈夫だと思ったから。」
「確かにそれはあるかもね。
だけど橋本さんの妹だよ。下手に手は出せないよ。」
「そうですよね。」
「それに、恵子にも迷惑がかかるよ。
よっぽど真剣じゃないと駄目だよ。」
「そうか。」
俊輔君は、がっくりとうなだれていた。
そうなると、なんかかわいそうになってしまう。
「俊輔君が、真剣なら力をかすよ。」
「ほんとですか?真理さんありがとう。」
感謝されても、どうなるか解らないよ。
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