恋の魔法が解けなくて

　しかし、そんな目論見はあっさりと破られる。

「おっはよー。あれ、マナっちどうしたの？」

　ホームルームが始まるギリギリ前に滑り込んできた、前の席の友人、アカネが無邪気に話しかける。

「ん、ちょっとね……」

「どしたー？　失恋でもしたか？」

　ズバリ直球の問い掛けを投げられた。

　アカネは普段無邪気に振舞っているが、とても洞察力がある。
だから今日も私が失恋したことをあっさりと見抜いてしまった。

「ま、そんなとこ……」

「えー、何それ！　マナっちを振る男とか信じられないんだけど！」