わたしたちの許されない日常

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わたしたちの許されない日常

 水曜日の夜。遅番の仕事を終えたあたしは叔父のマンションに来て、叔父がお風呂に入っている間、三人掛けの革張りソファを占領してテレビを見ていた。  買っておいてくれたアイスも食べ終わって、膝を抱えて今流行りのドラマを観ていたけれど、だんだん退屈になってきて消した時、ちょうど叔父が出てきた。 「お先に。……理沙。テレビ、別に見てていいぞ。俺は部屋行くから」  腰にバスタオル一枚巻いて、頭にタオル引っ掛けた叔父が言う。 「ううん。そうじゃなくて、もういいかなって思っただけだから、いいの」 「そうか」  叔父は冷蔵庫を開けて緑茶のペットボトルを取り出す。 「あ。あたしもお茶欲しい」  無言で二人分注いで、片方のグラスをあたしに持って来てくれる。 「ありがと。漫画のドラマ化のでね、うちの店でも今、原作本が結構売れてるから、どんなかと思って一度見たかったんだけど、やっぱいいやって感じで」 「……というより、およそ理沙がドラマにはまるっていうのが、あまり想像つかないな。俺は」  自分のお茶を飲んで叔父は言う。 「どうして?」  叔父は首を傾げて宙を見上げる。 「理沙は、正月とか家に来た時も隅で本読んでたり、本は好きだったけど、でも妙に冷めてて現実的だったろ。俺も今どきのドラマなんて見ないから知らないけど、あんまり理沙は興味なさそうな気がする」
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