589人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?辞めたほうがいい?そんなにヤバイ場所なんですか?」
男が聞くと潤一は頷き、早口でその時のことを話し始めた
「うん、今でも憶えてるよ。アイドルの女の子3人組と来たんだけどね、1人でカメラを持ってトンネルに入って撮影してくるってコーナーがあってさ」
今までの和やかな雰囲気が一変、怪談話となり2人は聞き入る
「で、その3人組のうちの1人がどうやら霊感があったらしくて『いやだー!入りたくないー!』って泣きながら嫌がってたんだ。でも番組だからってことでその子は渋々入ったんだ。1人で入ってトンネルの真ん中くらいまで来たときかな『嫌だー!来ないでー!』って急にうずくまって叫びはじめたんだ」
男はゴクリッと生唾を飲んだ
「スタッフは『大げさに怖がってるな』って見てたんだけど『やだー!やだー!助けてー!!』ってずっーと叫んでるんだ。そしたら、その女の子バタッて倒れたんだぁ…。流石にスタッフも焦って女の子を抱えてトンネルから出たんだけど、意識が戻らないんだ…。で、そこで撮影中止になっちゃってね」
潤一は、話し終えた。2人は黙ったままだ
「そ、その女の子はどうなったんですか…?」
笑顔が完全に消えた渚が、恐怖に満ちた表情で潤一に尋ねた
「非常に言いにくいんだけどね。未だに意識が戻らずに寝たきりだよ。グループも解散しちゃったね」
それを聞いた途端、男の腕に鳥肌が立った
最初のコメントを投稿しよう!