春待ちの窓

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普通なら1時間の距離を 3時間かかってやっと新宿に戻った。 乗り慣れた私鉄の各駅停車に逃げ込み 隅っこの席に 隠れるように身を沈め やっと一息。 ほう〜。。。 もう家についたような気になった。 吐き気は納まったが眩暈がひどい。 眼を閉じてジイっとしていても 身体の軸がゴムの柱みたいにグニャグニャ。 気を紛らわそうと、 タブレットの写真を開く。 色画用紙をベタッと張り付けたような青い空を背景に 巨大な高崎観音の前で微笑む自分と母。 ああ、だめだあ 画面がチラチラする。。。 慌ててタブレットを切った。 まあ、いい。 これだ、この写真にしよう。 これをプリントして母に送ってやろう。
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