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第7話
知らず知らず艶めかしいため息が漏れる。その呼気を掬い取るように、和紀が再び明日美のくちびるを塞いだ。
「……っ、んん……っ」
キスを続けたまま、和紀は自身の身体をずらす。手は胸を弄んだ後、下へ降りていった。緊張で閉じていた明日美の脚の間に自分のそれをねじ込み、軽く開かせる。それと同時にそこに辿り着いた手が、和毛をかき分けて内腿の奥へと入っていった。
「あ、んっ」
慎ましく閉じていた両襞に指が埋められた刹那、くちゅりと粘着質な水音が鳴った。明日美のくちびるからは艶を孕んだ声がこぼれ落ちる。
「……めちゃくちゃ濡れてる」
「ゃ……」
耳に直接吹き込まれる和紀の囁きに、明日美の頬がますます紅潮していく。恥ずかしくて、手の甲で顔を隠すと、彼は面白がって指をもっと深く差し入れて上下に動かし始めた。
蜜液をまとった指先はその動きをどんどん滑らかにして、明日美の快楽の肉を捉えにかかる。秘裂はぐちゅぐちゅとさらに淫猥な音を立てて、彼女の耳を打って止まらない。
「あっ、や、だ……っ」
「やだ? ……こんなに濡らしておいて? もうお尻の方に垂れてきてるの、分かる?」
「わ、からないもん……っ」
顔を真っ赤にしてふるふるとかぶりを振っている明日美を見て、和紀がクスリと笑う。
「あー……明日美、可愛い。仕事の時はあんなにしっかりしてるのに、セックスになるとこんなに恥ずかしがりでさ。ギャップがたまらない」
「だ、って……私、そんなに経験ない……」
明日美は処女ではないが、男性経験は今までに一人しかいない。大学時代につきあっていた彼氏だけだ。社会人になってからもしばらくはつきあっていたものの、お互い忙しく自然と疎遠になってしまった。
そして彼には同じ職場に好きな人ができたと告げられ、振られたのだった。
その後、明日美は和紀を好きになったので誰とも関係を持っていない。
「そうだよな。俺のことが好きすぎて、やけでつきあった男とキスもしないで別れたんだったな?」
「っ、そ……っ、あぁんっ」
別にやけくそでつきあったわけじゃないし! ――思わず目を剥いてそう言い返そうとすると、円を描くように蜜口を撫でられた。
「怒るなよ。……俺、めちゃくちゃ嬉しかったんだから」
和紀が眉尻を下げて囁いてきた。
「もう……ばか」
小声で責めると、彼は明日美のくちびるにもう一度ちゅ、とキスを落としてから、今度は彼女の胸の頂に吸いついた。
「あぁっ」
明日美が身体を反らせる。和紀はかまわずにピチャピチャと音を立てて胸を舐め、手は変わらずに秘裂のぬかるみで遊んでいる。そこはそこでぐちゅぐちゅと粘着質な水音を響かせてくるものだから、明日美はいたたまれない。
まるで、自分の身体が淫らな楽器にでもなったようだ。和紀によって奏でられて、その音色はどんどんいかがわしく官能的になっていく。
「あんっ、んんっ……あっ、あ、あ……っ」
畳みかけるように与えられる快感に、明日美の蜜口がとろけ落ちそうになる。
甘い奉仕に翻弄されている間に、和紀は明日美の下腹部に下りていて、彼女の力の入らない両脚を大きく開いていた。
「あっ、ゃ……っ」
空気をまとった明日美の密部は、ぬらぬらと濡れ光っている。和紀に愛撫されたそこから、つぅ……と愛液が一筋流れ落ち、シーツに影を作った。
「明日美のここ、小さくて狭そう。……どこもかしこもいやらしいな」
そう呟きながら、和紀は下から拭うように舐め上げた。
「あぁんっ、だ、めぇ……き、たな……っ」
「――汚くねぇよ。……ずっとずっと、明日美のここを味わいたいと思ってたんだからな。……覚悟しとけよ」
お風呂に入ってもいないのに――そう言おうとしたのに、和紀は彼女の心配を一蹴する。そして――
「ああっ! い、ま……?」
今、何をしてくれたのだろう――その疑問は言葉にならなくて、はくはくと口を開いたり閉じたりするだけだ。
彼の舌先がまだ秘められたままの花芯を突いただけで、明日美の腰は跳ね上がってしまった。
「まだ剥いてないのに反応よすぎ、明日美。これで直に舐めたらどうなっちゃうんだろうな?」
「し、知らないっ、そんなの……っ」
そもそも自分でも女性の秘部の構造をよく分かっていないというのに、和紀にそう聞かれても答えようがないのだ。
「……そっか、もしかして、明日美のここを直に触るのは俺が初めてかな」
和紀の手がそこで動いたと思うと、いきなり目の前がくらむ衝撃が来た。
「きゃあっ」
それは、今まで感じたことのないものだった。
じんじんと少し痛いような、けれどそれを遙かに上回る気持ちよさがねっとりと花芯に張りつくような、そんな感覚――
明日美の身体は再び跳ねて、蜜口がひくひくと震える。
「痛くないか? 明日美」
「だ、いじょうぶ……で、も……」
「でも?」
「少しだけ、怖い……」
「気持ちよすぎて?」
静かに尋ねられ、明日美はこくこくと頷いた。和紀はクスリと笑うと、彼女の腰周りを撫でる。
「……もしかして明日美、今までイッたことない?」
「っ、ぁ……う……」
元カレとのセックスは、それなりに気持ちいいとは思っていたけれど、いわゆる絶頂を迎えたことはなかった。そこに辿り着くより先に、元カレの方が果ててしまっていたというのが事実だ。それに前戯にもじっくりと時間をかけられた記憶もない。だから花芯を剥くの剥かないのなどという知識だって、明日美にはないのが正直なところで。
和紀にはそのことを伝えたりはしなかったけれど、明日美の煮え切らない態度でそれを察したのだろう。
「……まぁ、気持ちよすぎて死んだりはしないから」
「それって、自信があるってこと?」
「明日美への愛なら、誰にも負けない自信はあるぞ」
和紀がニッコリと笑った。そしてすぐに、明日美の秘裂へと舌を這わせる。
「んっ、あんっ」
「……他には何もしなくていいから、明日美はただひたすら素直に反応してろよ」
ごくごく小さく呟いて、彼は剥きだした花芯に舌を押しつけた。
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