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第8話
「あぁんっ、も、ゃ……っ」
これ以上は無理、というくらいに脚を大きく開かれて、恥ずかしさで暴れたくなったけれど、それを凌駕するほどの快感で羞恥どころではなくなった。
和紀の舌がそこをそっと愛でるように突く。かと思うと、執拗にまとわりつき、嬲るような愛撫を施す。
「あっ、あ、っ、んっ……あん、あぁ……!」
「――可愛い声」
明日美の細く高い喘ぎ声に、和紀は満足げに舌なめずりをする。彼の指が秘裂の表層を滑り幾度も行き来した後、その奥へつぷりと差し込まれた。
途端、きゅっと蜜口が締まる。
指はそっと奥へと埋まっていき、そっと戻ってくる。それを何度か繰り返すと、和紀は眉尻を下げて言った。
「すっげ締まってるしざらざらしてるし、挿入たら気持ちよさそう。これ、俺すぐイッちゃうかも。……そしたらごめんな」
謝ってくる和紀に、明日美はふるふるとかぶりを振った。自分だって、彼に何もしてあげられていないのだから。何より、和紀に触れられている――それだけでどうしようもなく気持ちがよくて幸せだ。
そのことを伝えると和紀は嬉しそうに笑った。
「明日美は俺のことを喜ばせるのが上手いな」
彼は内部に収めていた指を再び抽送させて、外に湧き出ている蜜を中へと押し込んでいく。そうして隘路を十分に潤した後、その指をくっと折り曲げ、浅い部分を押し擦った。
「んんっ、ぁ、な、に……?」
「ここ、どう?」
「な、んか……へん……っ、あっん、あっ」
和紀は花芯を愛撫しながら、ざらざらとしたそこを小刻みに擦り上げてきた。下腹部を刺激されて、なんとも言えない切ない疼きが湧いてくる。
外からと中からの異なる快感に明日美の頭は困惑するけれど、身体は貪欲にその両方をしっかりと受けとめて反応した。
下半身がびくんびくんと都度小さく跳ねる。しばらくすると、身体の奥底から得体の知れない波が押し寄せてきた。
「あぁっ、んっ、や、な……か……っ、も、だめ、お、かしくな……ちゃ……っ」
「……おかしくなれ」
低く色気のある声音で呟くと、和紀が畳みかけるような愛撫を降らせてきた。
花芯を舐り、中を擦り、明日美を快楽の頂上へと押し上げにかかる。
「あぁんっ、やぁっ、ほん、と……も、だめ……だ、からぁ……っ」
行き場のない手が枕を探り当て、くしゃりと掴む。和紀のベッドだからと気遣う余裕なんて、もうどこかへ行ってしまっていた。
どんどん大きく育つ快感を受けとめるので精一杯だ。
次に和紀が花芯に吸いついたその時――
「あっ、あ、あ、あっ、んんっ! ーーーーーー!!」
最後は声にもならなかった。昂ぶった身体はあっという間に上り詰め、弾けた。
何度も何度も跳ね上がった肢体は急速に熱を解き放って、静けさを取り戻していく。
「あ……はぁ……」
そこに心臓があるかのように、秘裂がひくひくとまだ疼いていた。目尻にはわずかに涙がにじんでいた。
「明日美、正直に答えて。……ちゃんとイケた?」
演技ではないよな? ――そう言外に秘めて、和紀が尋ねた。
「……ん……、た、ぶん……。だって、こんな風になったの、はじめて……」
大きな波に呑まれたように蜜口が収縮し、意図もしていないのに身体が跳ねて、おまけに涙まで浮かんだ。ましてや明日美は今までイッた経験すらなかったのだ。こんなこと、演技でできるはずがない。
「……だよな。中がきゅうきゅう締まってたし」
ホッとしたように和紀が笑みを見せた。そんな彼の様子を見て、明日美がクスリと笑う。
「和紀もそういう風に心配することがあるんだね。……さっきまでずっと余裕がある顔してたのに」
「余裕なんてないよ。どうにかして好きな子を気持ちよくさせようと必死だった」
明日美の乱れた髪を指先でくしけずりながら、和紀が告げた。
「和紀……」
「でも、ここで終わりじゃないからな? 明日美」
「ん……分かってる」
ベッドから脚を下ろしてジーンズと下着を脱ぎにかかる和紀を見て、明日美の頬が熱くなる。一瞬だけ目に入った彼の雄芯が、ことさらに彼女の身体を昂ぶらせる。そこはもう確実に勃ち上がっていて、自分の痴態が彼をそうさせたのかと思うと、嬉しいような恥ずかしいような複雑な気持ちになってくる。
和紀はベッドサイドに置かれた避妊具を屹立にまとわせると、明日美の元へと戻った。もじもじと擦り合わせながら閉じている彼女の脚をいとも簡単に大きく開いてしまい、そこへ身体を滑り込ませる。
「お待たせ」
和紀の指が確認するように明日美の秘裂へ伸びた。そこは未だに十分な潤いを帯びてくちゅくちゅと音を立てる。彼は「ん、大丈夫だな」と呟き、身体を前に進めた。
「久しぶりだと思うから、ゆっくり挿入るな? 明日美のことだから、自分でしてたなんてないだろうし?」
ずいぶんデリケートな部分に切り込んでくる和紀に少し面食らうも、自分のことをよく分かってくれてるなと、変な部分で明日美はまた彼に惚れ直してしまう。
「な、ないよ……そんなこと、したこともない……」
「ん、じゃあゆっくりするな。……とは言っても、俺も久しぶりだから、もし痛かったりしたら言って」
そう言って和紀は明日美の両襞の間に雄を押しつけ、上下に滑らせる。表層に蓄えられた蜜液で濡らされた彼自身が、動くたびに明日美の花芯を掠めてくる。それだけで彼女のそこは水気を増してしまう。
「っ、あぁ……っ」
すでにぷっくりと熟している花芯を、舌よりも硬い感触でさらにコリコリと集中的に愛撫されて、甘い電流が脳髄まで突き抜ける。
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