初夜の後遺症は根深くて

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初夜の後遺症は根深くて

   ◇ ◇ ◇  ――朝、目が覚めて一番に思ったこと。  あー……あり得ねぇ夢みたな、だった。  そして起き上がったら素っ裸で。  下半身がものすごく気だるくて。  百谷家側の窓の前にある光のモヤモヤが消えてなくて。  アイツが着ていた服が散らばっていて――。 「……はぁぁぁぁぁぁぁ……」  昨日のやつが全部現実だと思い知り、俺は朝から肩を落として重すぎるため息を吐き出した。  思い出したら悶絶して一日終わりそうな気がして、なるべく無心になって身支度を済ませ、朝食を済ませて家を出る。  ガチャッと家に鍵をかけて道路へ出れば、まるで示し合わせたかのように隣の家からケイロが出てきた。  俺に気づいてジッと見つめた後。ケイロは優越感いっぱいに微笑みながら、こっちへ近づいてきた。 「昨夜はよく眠れただろ、花嫁殿?」 「……寝たっていうより、気絶させられたようなもんだろ……やりすぎだってアレは……っ」  俺を魔法でおかしくした挙句、好き勝手に抱きまくった張本人。その顔を見たらどうしても昨夜のことが脳裏によみがえって、俺の顔が熱くてたまらなくなる。  耐え切れずに俺はケイロに背を向けて、学校へ行こうと一歩前に踏み出す。  背後から早歩きで俺に迫って来る足音が聞こえた。
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