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第4話 カソウの世界と強靭なドラゴン
「」=人間の声
『』=重要な言語
《》=変身音など
〔〕=デジタギアの声
〝〟=脳内の声
「…これじゃない…」
…気づけばそこには和真しかいなかった。
たった1発蹴られただけなのに吐血するほど負傷した。デジタギアとの戦いで無理したのか?それともやはりあの人物のせいでか?一体何者だったのだろう…そう思いながら和真は海斗を呼んだ。
ーーーーーーーーーー
「和真!」
しばらくして海斗が到着した。
「くっ…ごめん海斗…デジタギアはなんとか倒せたんだけど…」
車に乗り次の目的地に向かう途中、事情を説明し、いろいろ語った。
「…〝〔Nの意思…うあぁぁ!〕〟
…N…」
「N?」
「デジタギアは確かNの意思って…もしあいつがデジタギア達を管理してる存在とかだったらそのNなんじゃないかって…」
『N』の存在について考察した。和真達は謎の人物の事をデジタギアの王的存在だと仮定してNと呼ぶことにした。
ーーーーーーーーーー
和真達の通っていた中学校についた…だが、なぜかまだ新しいのに廃校になっていた。周りはツタや木々が生い茂っていた。
「…なんだあれ?」
立ち入り禁止の柵の奥には校舎があった。…たが入り口の奥に見える景色は雰囲気がまるで違った。
「…!デジタルディメンション…!」
柵を乗り越えようとした時人が現れた。急いで草むらに隠れた。
「…デジタギア…」
扉の目の前に立ちひとこと言い放った人物…よく見るとNだった。そこに呼び出されたかのように入り口からデジタギアが数体出てきた。
「N!」
2人がNに飛び掛かろうとした瞬間、Nは手をデジタギア達の方へかざした。
そして破壊した。
そこにいた全てのデジタギアが爆散した。
前とは違い、アビリティを回収する事なくこの言葉を言い放った。
「これじゃない…」
そしてまた消えていった…
2人はNが去った後、デジタギア達の残骸を確認しに行った。
「…信じられん…全て『ランクB』以上だ…」
「ランクって?」
Nがとても強いと言うことはわかったが、ランクが何か和真には知らされていなかった。
「デジタギアにはランクがあり、下からE,D,C,B,A,S…B以上を数体瞬殺するのは…」
なんとNは尋常じゃない程の強さがあった。想像していたよりもずっと強かったようだ。目の前にはまだ雰囲気の違う入り口があった。
「…デジタルディメンションだっけ?なんで中学校なんかにそんなもんがあるんだよ。」
少し前までごく普通の中学校だった。少し山奥だったが。
「あの事件でデジタギアが溢れ出してから、この世界にはいくつかの扉ができた。といっても数年遅れて開いた扉がほとんどだ。その扉は人呼んで…『ディメンションポイント』」
覚えなければいけないことの連続で和真の頭は少し混乱していた。何も喋れないうちに海斗は次を喋り出した。
「デジタルディメンションというのは…簡単に言えばデジタギアの世界…仮想現実ってところだ」
「…なんとなく…わかった…」
本当は分かっていない。
「純粋なデジタギアのほとんどはこちらの世界にきて、人間として生きている…」
この事を話していると、遥が言っていた事を思い出した。和真がデジタギアだとしたら…と。
「デジタギア…ちょっと同情しちゃうな…」
和真の事を心配する海斗。それと真逆に和真は純粋なデジタギアに同情し始めていた。
「もしここに遥が来ていたら…デジタギアに連れて行かれた可能性も…」
「この中に…遥が…」
2人は覚悟を決めてデジタルディメンションに入った。異様な雰囲気が漂っている。VR…仮想現実そのものだった。ここには洗脳されたデジタギアが大量に徘徊している。…
〔ニンゲン〕〔ニンゲン〕〔ニンゲン〕〔ニンゲン〕〔ニンゲン〕〔ニンゲン〕〔ニンゲン〕〔ニンゲン〕〔ニンゲン〕
「なんてこった」
どうやら大量のデジタギアに目を付けられてしまったようだ。急いでベルトを取り出した。
《grasshopper!》《bat!》
《ready?》
巨大なバッタとコウモリが空と地面を飛び回る。
「「変身!」」
《tactile change!》《hearing change!》
2匹の巨大な動物は2人の所へと向かい、鎧へと変わった。
《the magital!》《the virel!》
2人は仮面ライダーへと変身した。
「ランクが付けられてない下級デジタギアばっかだ。すぐ倒せるだろう。」
「わかった!」
下級デジタギアをバタバタと倒して行く。すると奥の方から今までとはまた違うとても異様な雰囲気が漂ってきた。
「海斗!あれもデジタギアなのか⁉︎」
とても大きなドラゴンが現れ、鼓膜が破れそうな程の声で雄叫びをあげた。
〔ギシャアアアアアアアア!〕
強靭な牙に硬そうな鱗、大きな翼を備えていた。とても勝てそうに無いドラゴンに2人は驚愕した。
「あんなデジタギアは見たことが無い…逃げるぞ!」
流石の海斗も見たことが無いようだった。2人は即座にその場から逃げた。
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