仮面ライダーマジタル

第1話 ナゾの生物と和真のヘンシン

「」＝人間の声
『』＝重要な言語
《》＝変身音など
〔〕＝デジタギアの声

20年前―

又宮大学研究サークルにて起こった悲劇―

当時、サークルのメンバーのみで行われた
『人間が住める、全てがデータで構築された世界を作る実験。』
その実験は失敗したと思われたが、メンバー全員が行方不明だったことが明かされ、真相は深まるままである。

「へぇ〜…こんなことがあったんだねぇ〜」
20XX年 松下家宅
「よっ！遥！」
「お〜和真〜」
突然遥の家にやってきたのは幼馴染の和真。
この物語の主人公となる男でもある。
一方遥はだらしない格好をしているが、この物語のヒロインになるらしい…
「お前なぁ、ちょっとは女っぽくしろよ。あぐらなんかかくなって…」
「いいじゃんそれぐらい〜。って言うか見て見て！」
遥は和真に先ほどの記事を見せた。しばらく出来事を紹介している最中、ふと和真の方を見た。
和真はただ真顔で、記事を見つめていた。どこか悲しそうだった。
「か、和真…？」
「俺の…俺の兄貴…当時このサークルにいたんだ…突然いなくなって…大学から連絡が来たと思ったら行方不明って…俺まだ小かったのに…もう俺何が何だか！」
「聞かせてもらったぞ」
和真が焦るように喋りだしたその時、誰かが割り込むように喋った。
「海斗…！」
「お前何か知ってんのか？この事件となにか関わってんのか？答えろ。何か知ってんだろ。」
「辞めて海斗！…」
急に雰囲気が一変し、全員が黙ってしまう状態に。
「一旦…1人にしてあげよ？」
ーーーーーーーーーー
和真が落ち着くまで、2人とも1度外に出た。
「海斗…帰ってきてたの？確か…高校行くために東京行ってたよね…？」
「あぁ。だがしばらく経って事件にあってな。続けられなくなった。…あの日…」
「あの日？」
なにか意味があるような発言が気になった。
「なんでもない。それよりあいつは何か知ってんのか？何か言ってなかったか？」
静かな口調で遥に和真のことを聞き出そうとした。
「うーん…あっ、そういえば。まだ小さかった頃、和真が言ってたかも。『俺は暗闇から逃れてきた』って。」
「暗闇……！！」
なにかに気付いたように、急に固まった。
「海斗？」
すると突然、遥の家の方向に走り出した。
「海斗！」
ーーーーーーーーーー
少し落ち着いたのか、和真は帰ろうとしていた。玄関で鉢合わせた。
「海斗…」
「和真、まず聞いてくれ。お前は世界を救えるかもしれない。」
「…は？」
まだ荒い息のまま訳の分からないことを言うので、和真は混乱した。
「このベルトで！お前は…世界を救えるかもしれないんだ。」
ーーーーーーーーーー
2人とも少し落ち着き、遥も到着したので海斗は冷静に話し始めた。
「今の世には、例の事件でこの世界に来た『デジタギア』という生物で溢れかえっている。」
「デジタギア…」
謎の生物について語り出した。遥と和真はまだ困惑していた。
「デジタギアの多くは洗脳されていて、戦闘に特化しいる。」
「へぇ…それで、そのベルトは何なんだ？」
「何か特別なことができるの？」
ベルトのことが気になり、説明を急かす2人。
「このベルトを使えば、『変身』することが出来、変身すればデジタギアを倒せる力が手に入る。」
「力…俺が…？」
急に何かを担った気がして、和真は落ち着かないようだ。
「あぁ。そして、変身できるのは…何！…デジタギアだ！行くぞ！」
「「えぇ！」」
説明中にデジタギアが街に現れたようだ。3人は急いで現場に向かった。
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「…おそらくあいつだ。離れてろ。」
「え？」
特に騒いでいる様子もなく、海斗が何を言っているのか分からなかった。だがそれはすぐに分かった。
〔Nの意思…うあああああ！〕
《data・one…kangaroo…》
目の前の人間が叫び出し、デジタギアへと変化した。
「和真、これを使え。」
「これ…さっきのベルト…」
海斗から先程のベルトを受け取った。
『変身』しろと言うことなのだろうか。
「使い方もわかん…」
「和真…？」
急に固まった和真に、遥は動揺した。
「このベルトは、つけることで装着者の脳とリンクし、使い方から戦い方まで全て学習できるようになってる。」
「なるほど…？」
数秒後、和真は敵の方を向いていた。使い方を学習したようだ。
「よくわかんないけど…」
そう言いつつ、変身動作をこなして行く。
《grasshopper!》
「グラス…バッタ！？」
《ready?》
アイテムをベルトに装着したと同時に、巨大なバッタが現れ、縦横無尽に飛び回った。
「変身！」
《tactile change!》
掛け声と同時にバッタは和真の方へ向かって行き、鎧へと変化した。
《the magital!》

「俺は仮面ライダーマジタル！２つの世界を…守る者！」