キス、プラス

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キス、プラス

 俺が唇を薄っすらと開くと、それを待っていたかのように伊央利の舌が入って来る。  熱い伊央利の舌に俺は自分の舌をおずおずと絡める。  くやしいけど、伊央利はキスがすごく上手なんだと思う。  だってこうしてキスされるだけで、俺は頭の芯がしびれたようにボーッとして来るし、体の奥深くから今にもイッてしまいそうなくらい激しい快感が込み上げて来る。  伊央利は今まで何人の女性とキスをしたんだろう?   ううん。キスだけじゃなくって、それ以上も……伊央利は……。 「……っふ……」  長いキスが終わり、ゆっくりと伊央利の端整な顔が離れて行く。  二人の唇の間に煌めく糸が引き、俺の唇の端から伝う、受け止めきれなかった唾液を伊央利がペロッと赤い舌で舐めた。 「……大和……何考えてる?」 「え?」 「余計なこと、何も考えられないようにしてやる……」  伊央利はクールな美貌に怖いくらい真剣な表情を浮かべると、俺の着ているパーカーの裾から手を差し入れた。途端に俺の体は条件反射のように強張り、いつもの伊央利ならこの時点でやめるのだが、今は違った。 「伊央っ……っあ……」  伊央利は俺のパーカーを胸の上までたくし上げると、絶対的な口調で命令した。 「このまま自分でパーカーを押さえてろ、大和」 「やだ……伊央利っ……恥ずかしいよっ……」 「いいから押さえてろ」  
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