キス、プラス

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 乳首を甘噛みされて、小さな悲鳴が漏れたのと同時に、伊央利の右手が俺のスエットのズボンの中へともぐりこんで来る。  下着越しに俺の勃起をやんわりと握ってから、やがてその手は下着の中へと入りこんで来て、直にそこに触れられた。 「ああっ……」  気持ち良すぎて怖かった。  快感は大きくなり続けるばかりで、まるで終わりがないように襲い掛かって来る。 「も……やめ……伊央利……」 「こんな中途半端なままでやめたら、おまえ苦しいだけだよ」  俺の胸元で囁く伊央利の声は少し掠れていて。その声さえも俺の興奮を煽る。  伊央利は俺の昂ぶりを握ったまま上下に擦り始める。  伊央利にこんなふうにそこを愛撫してもらう夢は何度も見てるけど、現実は夢なんか比べ物にならないくらい気持ちよかった。 「あっ……ああ……ああ……」  大好きな人の手で淫らにそこを擦りあげられて、俺は呆気ないくらいすぐに限界が来て、伊央利の手の中で射精してしまった。  鍵もかかっていない玄関で、立ったまま、伊央利の手の中でイッてしまう……それだけでも俺の恥ずかしさは許容範囲を超えているというのに、伊央利はわざと俺が放ったものを見せつけて来て、そして……そして、赤い舌でペロリとそれを舐めた。 「い、伊央利、そんなの舐めないでよ!」 「なんで? 大和のこれ、とても甘くておいしいよ」  ゾクリとするくらいエロい微笑みと共に、更に伊央利は俺の精液を舐める。  放っておいたら全部舐め取ってしまいそうで、俺は慌てて伊央利の手を取ると自分のパーカーでそれを綺麗に拭き取った。 「あーあ……勿体ない」  伊央利は心底残念そうに呟いてから、俺のことを強く抱きしめてくれる。そのときに気づいた。  俺の下腹部に伊央利の硬い雄が当たっていることに。  俺が大きく目を見開いて伊央利を見ると、困ったように笑う姿。 「なんて顔で見るんだよ? 大和」 「だって、だって……伊央利も、こんなふうになるんだ……」 「当たり前だろ。好きな相手のあんな姿を見て、興奮しない男なんていないよ」 「伊央利……」  俺はそろそろと伊央利のそこへ手を伸ばした。ジーンズの中で苦しそうに勃ちあがってるそれにそっと触れると、伊央利が小さく吐息を零した。 「……っ……」 「伊央利……」  伊央利のジーンズの前をくつろげてあげると、下着越しにでも分かる俺よりも遥かに立派なそれ。  俺は小さく音を立て生唾を飲み込み、伊央利の下着の中へ手を入れると、彼の勃起を握りしめる。  伊央利が掠れた声で俺の名前を呼ぶ。 「んっ……大和……」 「……伊央利……気持ちいい……?」 「ああ。もっと、して……大和」  感じている伊央利の顔はとても綺麗でエロくて。  俺の拙い愛撫でも伊央利はちゃんと気持ちよくなってくれてるんだと思うだけでうれしかった。 「大和……すげー、気持ちいい……」 「伊央利……伊央利……」  俺は夢中になって伊央利の昂ぶりを握った手を動かす。 「っ……も、限界……大和……」  伊央利は低く呻くと俺の手の中でイッてくれた。  この夜、俺と伊央利の関係は数段深くなった。
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