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次の朝
次の日の朝。
二人で作った食事を仲良く向かい合って座り食べているとき、おもむろに伊央利が言った。
「そういえば、昨夜おまえが寝たあと母さんから電話があってさ」
「え? そうなんだ?」
昨夜は玄関のあの行為の所為か異常に眠くて、俺は風呂から上がるとすぐに眠ってしまったのだが、伊央利は起きていたようだ。
「ああ。ほら来週の金曜日俺たちの誕生日だろ?」
「うん」
俺と伊央利は双子なので当たり前だが誕生日は同じ日だ。
「いつもの生活費とは別にお金を振り込むから、それで何かおいしいものでも食べに行って来いってさ。どうする?」
「うーん……」
「高級ホテルのレストランでコースメニューでも食いに行くか?」
いたずらっぽく言ってくる伊央利に俺は苦笑して答える。
「いらない。それより家で二人きりで過ごしたい。ケーキ買って、二人で料理作って」
「俺もそっちの方がいい。じゃそれで決まりだな」
「うん!」
俺は弾む心で返事を返した。
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