三一話 俺って凄いだろ

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三一話 俺って凄いだろ

ここまで乗り気じゃ無いのは久々だな… 玉座の間で告げたのはいいが、本心からでは無く仕方無いと思って言ったこと 仕方無い…で、孕ませる事が出来るこの世界の方針を疑いたく成るほどに気が重い そりゃそうか…ブラオンのようにイケメンなのに背中に卵をおぶってルンルン気分で城の中を歩き回ってる、ちょっと抜けた部分のある可愛い奴とかなら分かるが ロッサの場合は、ポジティブの自信過剰な刺青野郎 いや、見た目の刺青はどうあれ…あの俺って凄いだろ?系のナルシストはどうも苦手なんだ ヤバイな……苦手な分類と行為をしなきゃならないことに逃げ出したくなる 『 はぁー……気が重い…… 』 残念なことに…もう、逃げると言う選択肢は消えていた 新しい雄、孕んでる雄以外と行為することで子が増える事を喜ぶルビーや他の魔物達にとって俺は、繁殖場へと連れてこられていた 此所に来るときに用の脱ぎやすい服装に、肌に香る風呂上がりらしいボディーソープ等の匂い どれも、その為だけにされたことで尚更、気が重い 何度も溜め息を吐き、腰にクッションを当てたままベッドに仰向けになり、ロッサを待っている 『 ふぅ…… 』 幾分かして、このまま寝てしまおうかと思っていれば聞こえてきた扉の開く音にやって来たか、と言いたくなるほど長く待っていた気がする いや、気が重いだけで実際には十分も待って無いのだろうが、その十分がとてつもなく長く感じていたのだ 「 ここ俺が来てやった。待たせたな!女王蜂 」 『 嗚呼、待った……すごーく、待った 』 「 えぇ、そんなにか?それはすまないことをした。俺と言う者でありながら、長く待たせるなど… 」 いや、御前はどのかの武士か!面目無い、とか言い始める雰囲気に身体を起こせばフードやら南の国っぽい服を着てない彼に、一瞬鼻先が痛くなる 『 ちょっ、なんで……着てないんだよ…… 』 「 脱ぎやすい服装がいいと言われたが、他を着るのも面倒だからな!是非、身体を見せようかなと 」 『 その是非、はいらねぇけどな…… 』 部屋の灯りを消せば良かったと思うほどに腰にバスタオルを巻いた程度のロッサ 服装では見えなかった刺青は身体中に彫られていて、俺から見て右側半分以上をトライベル柄が占めていた 無駄に筋肉質のマッチョボディーの色っぽい体格に鼻血が出そうになったが、なんとか堪えてはベッドに上がってくる彼に視線を戻す 「 何故だ?女王蜂は肉体が好きだと聞いたんだが 」 『 誰からの情報だ、誰からの 』 「 ネイビーさ 」 『 ……アイツか 』 きっと最初にヤったときに俺が筋肉を触ったことを思い出して言ったのだろう 確かに、ロッサの筋肉にも触れてみたい程に硬さが有りそうなほどにガッチリとしてる アラビア系の肉体に、盗賊とかの格好をさせたいがこれでも一国の王なんだよな…… サタンが強すぎて忘れてたし、普段の格好が王子っぽくないからな 「 そう。だからこの俺の肉体を好きなだけ見ればいい 」 『 じゃーさ…… 』 俺はきっと“この俺の“と言う自信過剰の奴が、何処までやれるのか知りたくなったんだと思う まるで性格の悪い悪党みたいな考えを思いつき、密かに口角を上げては命令口調で告げる 『 御前の綺麗な身体を見せ付けながら、自慰でしてみろよ。出来るだろ? 』 「 あなにー……とは? 」 『 …………ゴホッ 』 そうか、自慰(オナニー)知らねぇのか 生まれてからずっと雌に誘われるまで、ヤらねぇのかよ どんな一途だよ、というか魔物(獣)だもんな! 繁殖以外に興味がないんだから、人間らしい自慰して欲を発散なんて事はないか!! くそ、忘れてたぜ!! 『 つまりだ、陰茎擦って……勃起させるんだ。そのぐらいは分かるだろ? 』 「 何故、使わない部分に触るんだ? 」 『( 勉強しとけ、童貞野郎!! )』 俺が悪いのか、この俺が!! コイツのせいで変な口調が移りそうだと心の中で悶えれば、自分が馬鹿だったと思い知る ネイビーの時も触ったら疑問を向けられたし、ハクにも何度か擦っても射精しない変わりに漏らしたりするんだった、忘れてたぜ!コノヤロー!! 『 …俺がそれを見たいからだ( 変態発言だな )』 「 女王蜂は変わったことが好きなのか?この俺が、陰茎を擦るのか……まぁ、よく分からんが…それが望みから答えてやる 」 『 ……あぁ 』 なんかヤれって言ったのに、陰茎を見せ付けたい野郎みたいな言い方に動揺すらするが、此でいいか 余り深く考えるのは止めようと擦り易いように股を広げて座ればいいものの“見せ付ける“と言うことを意識したロッサは、ベッドの上で膝を立て腰を上げ、長い蛇の尻尾でシーツを押さえバランスを保ち 色気も何もなくバスタオルを取っ払った 『 わ、すげ…… 』 「 だろ…?俺って凄いだろ? 」 無意識に“すげ“と口に出してしまうほどに、骨盤から内股まで刺青が彫られていた 自慢気に刺青を指でなぞる、指先を眺めてしまえば問い掛けていた 『 どうやって彫ったんだ?刺青だろ? 』 「 彫ってはない。俺は模様が残るタイプでな、これが…孔雀になった時の俺の柄だ 」 『 あぁ……確かによく見れば…羽根だな…… 』 服から覗く一部では気付かないほど、身体に残る柄は孔雀の羽根のようにも見える 美しくも複雑な孔雀の尾が尾てい骨から、全身にくっついたような刺青を見たくて、身体を動かし背中へと視線をやれば、ロッサは笑った 「 これが孔雀と呼ばれる理由だ。気に入ってくれたか? 」 テンション上げてる時とは違った、低くも高くもない声には色気があり、孔雀の雄らしい風格さえある 寧ろ、下半身隠した程度の全裸ぐらいが自信持って歩けるんじゃないかってぐらいにこの模様は、他の魔物には無いほど美しい 『 嗚呼……。ほら、手を動かせ 』 改めて前へと戻り座り直せば、ロッサは此方を見下げては萎えてる陰茎を不器用に掴み、軽く擦り始めた 「 女王蜂が触れてくれれば、簡単に勃起するだろうに……アンタは不思議なことをさせるな 」 『 面白いじゃないか。雄が自慰してるなんてな 』 イケメンが欲に溺れてオナってるのを想像するだけで、別の興奮がある 彼等にその興奮があるかは分からないが、肌の色より濃い色をした陰茎は、人間の女でも受け身の男にでも使ってやれば良いと思うほど立派だ AVでみたことある外国人の陰茎のようだと思っていれば、赤の髪色と同じ陰茎はサラッと生え揃い 時々それを避けるように手を動かすのを見れば、引っ張られるのは嫌なんだろうな 「 少しでいい、触ってはくれないか…? 」 『 仕方無いなぁ。ちょっとだけな 』 さっき動いた時に抜け落ちた、自分の黒い羽根を拾い上げその先端で緩く勃起した陰茎の裏筋をサラッと触れれば彼の腰はビクッと大きく震えた 「 なっ!っ……羽根なんて…… 」 『 ほぅ?いい反応するじゃん。手じゃないのは嫌か? 』 「 違う…アンタの綺麗な、羽根が…触れてるだけで、変な気になる…… 」 『 嗚呼…… 』 流石“女王蜂“……改めて自分の立場を実感した その辺の鳥の羽根ならばきっとコイツは興奮なんてしないだろうが “女王蜂の羽根が“という認識で、興奮するんだろうな 雄にとって女王蜂は掛け替えのない一人(一匹)存在だ そいつが自ら指でも羽根でも触れてることで、彼等にとっては嬉しいのだろう 『( 詰まらないな…… )』 “俺“ではない、そう思うと胸に刺さる感覚に気付き多少楽しめそうだった事すらどうでもよくなる 『 そうか……なら羽根ごときで良がればいい 』 俺が触らなくとも、コイツには羽根一枚で十分って事か… 反応を伺うように羽根の先で触れる程度に擦れば、彼の腰は震え、密かに息は荒くなる 「 ぅ、はっ……。アンタの、羽根が……ン…… 」 『 そう、俺の羽根が御前の情けない陰茎を擦ってんだ。どうだ? 』 「 っ、どうって……はずかしい、な…… 」 『( あ、コイツ……ドMか )』 この俺が、と言うからてっきりSっ気のある自信過剰のナルシストかと思ったがその真逆じゃないか 恥ずかしいと言うわりには、耳を赤く染めて擦る手は止めないのに、片手はどこを持てばいいか迷ってるほど手を握りしめ耐えている そして、何より俺の冷たい言葉すらいちいち反応する 蔑まれることを始めてと言ってたのを思い出せば、笑みは浮かぶ 『 恥ずかしいか?そうだな、こんな先走り垂らして……自慢の模様は濡れてるぞ? 』 「 っ、言わないで…くれ……ぁ、これ……変な感覚がする…… 」 内股から太股に伝う、透明な先走りが孔から垂れ 敢えて羽根で掬って濡れた羽根を見せ付ければ、彼の表情は恥じらいと欲を見せ、時折顔を背けるも、その陰茎は自らの腹筋に当たるほど完勃起している 『 変な感覚とは?言わなきゃ、分からないだろ? 』 俺も随分と慣れた奴になったな…… 前世ならきっとガン見すら出来なかった陰茎を今は眺めて、好き勝手に出来るほど経験を積んだと思う 腐ったな……と内心思いながら亀頭の先端を羽根で擦れば彼の手は止まり腰と太股は震え、上下に動く 「 分からないが、うっ……酷いな、教えてくれ…… 」 『 もう少し、敬意を持って聞けるだろ? 』 「 はぁ、教えて……ください……女王様 」 どっかのS嬢では無いのだが、時々敬語になっていたロッサが、今言うと結構腰に来るものがある やっぱり俺は変態かと自覚しながら、羽根を陰茎から動かし、腹下へと滑らせ触れ問い掛ける 『 この辺りが疼かないか?奥の辺りが…… 』 「 ぁ、する……うずくっ…… 」 『 そうだろ?どうやったら、治るんだろうなー? 』 「 ッ!はぁっ、くっ! 」 育児嚢は卵子を求めるように疼くのだろな それが雄の本能だからこそ逆らうことは出来ない 女王蜂に媚を売るのも納得は出来るからこそ“俺“という考えを止めて、彼の戸惑うのを見たさに“女王蜂“として行為を続けてやることにした 「 ぁ、んっ…… 」 片手に持った羽根を口元へとやれば、赤い舌先すら柄の入る舌を伸ばし舐める様子を眺め、反対の手で股の間に手を滑りいれ、指を濡れた孔へと押し込めば、女の膣内のように蜜を垂らし、緩く締め付けてくるのが分かり 軽く後孔を弄りながら続ければ、陰茎から手を離した彼は両手を俺の肩へと当て軽く掴みながら腰を震わせる 『 ほら、羽根喰っていいぞ… 』 「 ン、いただき、ます……ぁ、っ…… 」 どうせ汚れた羽根、使い道なんて無いと口へと含ませれば彼は軽く噛み舌先で巻き取り咥内へと含みながら、羽根を持たなくなった手で陰茎の先端を掴み擦ってやれば甘い声を漏らす 「 はっ、ぁ……女王……そんな、ンっ…… 」 『 嫌か?それとも…… 』 「 きもち、いい……ァ、ぁ、っ……凄く、ぁ、ンっ! 」 そりゃ水音がいやらしく鳴り響く程には感じてるだろからな 孔に入れた指を増やし、中で開きながら腹側にあるスポットへと押し当て震わせるように動かせば、彼の反応は大きくなる 「 うぁ、ぁあっ!そんな、っ!あ、あっ、まってくれ、まって……ぁ、ァアッ! 」 太腿は震え、逃げ腰になる腰は前後に大きく動く為に陰茎を掴んでいた片腕を腰に巻き、固定して動かせば彼は肩に当てた手に力を込め、腰を反らし天井へと見上げ、身体に力が入る 「 ぁ、ァ、あっ、でるっ、なんか、ぁ、アッ!まっ、て、まっ、ンッ!あぁ、やめっ、ンッ! 」 『 先に果てることぐらい、許してやる 』 「 ンンッ、ぁ、もう、ひっ、あぁ、っ~~!! 」 輸卵菅を差し込む前に、精子を放つことは嫌なのだろうか 左右に振った首と共に、中を強く締め付け達した彼に合わせて指を引き抜けば太股からシーツへと濡らし、その脚はぺたりと座り込む 「 はぁ、はっ……くっ、はぁ…… 」 顔を俯かせ、俺の肩を掴んでた手を離し自らの腹下を触れ、押さえるような動作は まるで人間の男が陰茎を掴んでるときのように見える 彼が落ち着くまで話し掛けるのは止め、手に付いた精子を指を広げ伸ばしたり見てから、何気無く口元に当て舐めれば苦いことに気付く 『 御前……もしかして…… 』 「 っ…… 」 何度も経験した俺なら分かる 精子が此処まで苦いのは一つの原因があることを今更知っては、彼の肩は震えた 『 発情……してなかったのか? 』 つまり、女体になって無かったんだ それは俺が本心から“孕ませたい“と思わなかった事で、 彼の身体にも変化が無かったということになる 理性が壊れていくほどの甘い匂いも無かったのに… 何故それに気付かなかったのか… そんなの、ヤり始めた俺に興味がなかったからだ
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