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詩織の母の再婚相手となる斗真は、相当な遊び人だったらしい。妖怪退治だと偽っては、美しい女妖怪とイチャつきまくったのだとか……。
「長男の雷翔の母親は、鬼の種族でなぁ。光輝く金色の髪をした絶世の美女だった」との結果、息子が鬼の角と牙を持ったらしい。
「次男の大和の母親は、犬神の種族。こちらは銀色の髪の可愛らしい女性で……」との結果、息子が犬耳と牙を持ったらしい。
「三男の颯の母親は天狗の種族。漆黒の髪に色白の美しい女性だったなぁ」との結果、息子が黒い翼を持ったらしい。
「四男の銀太の母親は九尾の狐の種族。薄茶色の髪をした可愛い乙女であった」との結果、息子がフサフサの耳とズボンの下に隠されている尻尾を持ったらしい。
「四人の女を同時期に孕ませてしまったからなぁ……。散々な目に遭ったよ! ハハハハハ!」
「いやいや、笑い事じゃないだろ!」と、思わず詩織は突っ込んでしまったが、斗真は構わず笑い飛ばした。
そして、愛しさの溢れた目で詩織の母を見つめる。
「女は懲り懲りだと思っていたが……、透と出会って考えが変わったんだ。きっかけは一目惚れだったけどね……」
今まで朝晩仕事に明け暮れ、女手一つで私を育ててくれた母が見つけた幸せに、詩織は反対なんか出来なかった。
例え、異様な兄たちを持つ事になっても……。
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