プロローグ

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 そこそこ立派な寺院があった。  そこの住職は若かりし頃、妖怪退治だと山奥に出掛けては、綺麗な女妖怪と遊びまくっていたという。  結果、彼は四人の異母兄弟の父親となった。  長男の母親は鬼族。  次男の母親は犬神族。  三男の母親は天狗族。  四男の母親は九尾の狐族。  妖怪の中でも大妖怪と呼ばれる一族の女たちを同時期に孕ませた、怖いもの知らずの男。  お化けが大の苦手な少女は、この男が母親の再婚相手になるだなんて、その時まで想像すらしていなかっただろう……。
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