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 放課後の校舎の一角。カーテンの引かれた狭い部屋の中に、荒い息遣いが響いていた。 「……あ、……」  並んだデスクのひとつに腰掛けるようにして、若い教師が膝の上に乗せた少年の体を突き上げている。 「……先、生。俺、もう……行かないと」 「まだ、いいだろ。久しぶりなんだ。……ああ、やっぱりおまえが一番いいよ」 「……知りませんよ、奥さんにバレても」  お互い、服は身につけたままだ。誰か人がきても、すぐにごまかしがきくように。  教師は少年と繋がれたまま立ち上がり、少年を壁際に押し付けるような体勢で、腰をさらに動かし始める。少年が苦しげに眉根を寄せた。 「ん、……は、あ……」 「可愛いよ、その声」  そんな言葉を耳元で囁かれ、茶化すなと言うように、少年が熱っぽい瞳で振り返る。ゾクゾクするほど、色っぽい映像だ。  教師は腰の律動をさらに速めた。少年は、壁に手を這わせ、教師の強いる行為に耐えている。  やがて少年の柔らかな肌の中で、教師は達した。満足げに最後の一滴までを少年の中に放ち、深々と突き刺していた自身を引き抜いて、服の中にしまいこむ。  乱れた制服を直しながら、少年は口づけてくる教師の唇を避けた。 「もう、いいでしょう。……俺、帰ります」 「ずいぶん、冷たいな。他に約束でもあるのか、桂?」 「俺はあんたの恋人じゃあない。妙な詮索はやめてくれませんか」 「わかってるよ。だが妬けるな。きみが、誰の体になら満足できるのか……」  教師の言葉に、少年はくすくすと笑うだけで答えを返さない。ベルトを止め終えると、教師の首筋に軽い口づけを残してドア口へと向かった。
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