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   ※この物語は『After Rain』の続編です https://estar.jp/collections/2249133    それは昼休みの、裏庭の一角だった。  日当たりのよい芝の上で、ひとつ上の学年の山崎桂が、隣の肩にもたれて熟睡していた。  へえ、と意外に思いながら、翔太は立ち止まった。  …桂はどこか、人になつかない猫のような印象がある。誰かの隣で安心しきったように眠っている姿が、まず新鮮だった。  そして隣にいるのが、桂の幼なじみだというバスケ部の坂井修史だというのがまた驚きだ。幼なじみなのだから一緒にいること自体は不思議ではないし、校内でもよく見かける光景なのだが、スポーツマンで通っている修史がおとなしく本を読みながら、ちょっと迷惑そうに肩を貸している姿というのが何だか意外だったのだ。  翔太は放送の当番を忘れているらしい桂を探しに来たのだったが、結局声をかけることができずに、そのまま引き返した。  その場の空気を壊したくないと、なぜか思ったのだ。
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