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私は気をよくして、和歌に「よく叱っておいたからね!」と報告した。和歌はまだ廊下を歩いていたが、いつの間にか二階堂えりと二人になっていた。和歌の制服は濡れて少し色が変わっているところがあるが、肌にまでは染みていないようで、ハンカチももう手に持っていなかった。
「ふーむ。やっぱり和歌のスカートは長すぎるな」
和歌の周りを飛び回り、制服姿をチェックする。和歌のスカートは丈がふくらはぎの太いところまである。私は眉を寄せて顔をしかめた。一番足が太く見える長さだ。
(ほんのちょっぴり、ウエストの所をクルッと一巻きか二巻き、巻き込むだけでいい。膝が半分出る位でいいのだけどな。……よし、やっぱり言おう!)
心に決めて、「スカート! 長すぎる! クルッと、スカートのウエストをクルッとしてみようかな!」と和歌の耳元で叫ぶ。
何十回も叫んだので、息がないのに息が切れて、ふうふうと肩で息をする。ようやく和歌が立ち止まって、ちょっとお腹に手を当てた。
「どうしたの? お腹でも痛いの?」
一緒にいた二階堂えりも立ち止まる。
和歌はえりのスカートを眺めると、「えりのスカートって…。裾上げしているの?」と、聞いた。えりのスカートはかなり短めだ。すらりとした足によく似合っている。
「ちがうよ。ホラ、この腰の所で巻き込んでいるだけ」
二階堂えりは、気安く自分の制服の上着をめくってスカートが巻き込まれているウエストを和歌に見せる。
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