復讐の座敷童

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 (あれ? そういえば……、ちゃんと謝ってもいないんじゃない?)  私はちょっとカチンときた。だからもう少しイタズラしてあげた。本当はもっとやってもいいくらいだが、昼間の私に出来ることと言えば、シャーペンの芯を折ったり首筋に冷たい手で触ったり、耳元で叫び声を上げる事位しかないのだ。夜になれば、もう少し出来ることは増えるが、その頃には学校は無人だ。仕方なく冷たい手で彼の首を両手で絞めるように触りながら、耳元で金切り声で叫んでみた。  『謝れえええええええ! 二度と苛めないって誓えええええええ!』  幽霊になってよかったことの一つは、思いきり大きな声で叫ぶことが出来るということだと私は思う。ああ、気持ちがいい。  彼は学生服が緩くなったように見える程、大きな体を縮こまらせ「……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」と繰り返し謝った。きょときょとと空中に視線を泳がせながら。  その様子を眺めて、私は満足してウンウンと頷いた。もしまた何か悪さをしたら、その時にまた考えよう。私は彼の首から手を離してあげた。
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