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私の家から学校までは片道二キロメートル あり、子どもがゆっくり歩くと四十分はかかる。過去にも石蹴りをやったのだが、三分の一までに石はなくなってしまう。
石は優しく蹴り、歩幅を小さくする。
「おばあちゃんが、長生きできますように」
何度もつぶやいていると、石がおばあちゃんの顔に見えてきたりする。
あと十メートルのところまで迫ってきた。
家の前に知らないおじさんが立っている。
真っ白なズボン、真っ白なシャツ、真っ白な帽子……、顔も真っ白で全く表情がない。
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