帰り道

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 二日後に席替えがあり、私の隣は夏子ちゃんになった。    当時、流行っていたスポーツカー消しゴムが筆箱に入っているのを見て、 「その消しゴムかわいいね」  といってくれた。  私はスポーツカー消しゴムをたくさん持っていたので、 「一つあげるよ」  と差し出すと夏子ちゃんは目を輝かせて喜んでくれた。  そのことをきっかけに私たちはよく話をするようになった。  私と夏子ちゃんはつきあっているという噂が立つようになった。  恥ずかしかったけど満更でも無かった。    そのころから、私の鉛筆や消しゴム、ノートがなくなるようになった。  おそらくクラスのいじめっ子のひろしが、隠しているのだろう。
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